設置日 2009/9/12(Sat)
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活気のある街、市場のあちこちでは客を呼び込む大きな威勢のいい声が聞こえる。
太陽は高く頭の上にあり 、夏の暑い日差しを照りつけている。そんな市場を、一人の少年が人にぶつからないように気をつけながら全力疾走している。
「よっしゃ!今日はいよいよずっとほしかったあの部品が変えるぞ!何ヵ月もため込んだこづかいだ、落とさないように気をつけないとな。」
どうやらよほどうれしいようで、その表情はキラキラと輝いている。
そして、少年は市場の一本裏通りに入ると、そこを突き進む。すると路地の突き当たりに一軒の古い店がある。完全木造で、雨風に打たれて外壁の板は黒ずんで朽ちかけている。扉は、幾分新しいようで、ガラス窓が付いており取っ手の部分には『営業中』と書かれた看板がぶら下げられている。
少年は、その扉を思いっきり引っ張って開けると、中に駆け込み叫ぶ。
「おやっさん!!例の部品をおくれ!やっと金がそろったよ。」
すると、カウンターに腰を掛けて新聞を読んでいた老人はゆっくりと立ち上がると、
「ああ、おまえさんか、そうかそれはよかった。ちょっと待ってくれ出してくるから。」
というと店の奥の方に入って行った。
「これでやっと、アレが作れる。」
少年は、もう嬉しすぎて心ここにあらずといった様子で店の中を行ったり来たりしている。しばらくして店の奥から何やら細長い大きな箱を持って老人が戻ってきた。
「はいよ、これだね、ええと、25フェリーだ。」
「んと、25フェリーだね。はい、この中にそれだけあると思うよ確認して。」
そう言うと少年は羊の皮でできた袋を老人に渡す。その中には、金貨が入っている。
それを受け取った老人は中身を一枚ずつ取り出して、全部で25枚あることを確認すると、
「ん、確かにお題は頂いたよ。壊さないように気をつけて帰るんだよ。」
といった。それから少年は、
「おう!わかってるよラファエロおじさん。じゃあ、また」
と、ラファエロと呼ばれた老人に言うと勢いよく外に飛び出す。その時ラファエロは、
「ああ、また。ヘンリ。」
と言った。
ヘンリは、勢いよく外に飛び出すと来た時と逆に店の左側の通路を走った。しばらくして右に曲がってみて、急にこけそうになりながらもなんとかとまる。その顔は唖然としていた。それは目の前の光景が信じられなかったからである。さて、彼の前には・・・
「なんで、こんなところに女の子が倒れてるんだ・・・!?」
一人の少女が壁に寄り添うようにして倒れていた。
太陽は高く頭の上にあり 、夏の暑い日差しを照りつけている。そんな市場を、一人の少年が人にぶつからないように気をつけながら全力疾走している。
「よっしゃ!今日はいよいよずっとほしかったあの部品が変えるぞ!何ヵ月もため込んだこづかいだ、落とさないように気をつけないとな。」
どうやらよほどうれしいようで、その表情はキラキラと輝いている。
そして、少年は市場の一本裏通りに入ると、そこを突き進む。すると路地の突き当たりに一軒の古い店がある。完全木造で、雨風に打たれて外壁の板は黒ずんで朽ちかけている。扉は、幾分新しいようで、ガラス窓が付いており取っ手の部分には『営業中』と書かれた看板がぶら下げられている。
少年は、その扉を思いっきり引っ張って開けると、中に駆け込み叫ぶ。
「おやっさん!!例の部品をおくれ!やっと金がそろったよ。」
すると、カウンターに腰を掛けて新聞を読んでいた老人はゆっくりと立ち上がると、
「ああ、おまえさんか、そうかそれはよかった。ちょっと待ってくれ出してくるから。」
というと店の奥の方に入って行った。
「これでやっと、アレが作れる。」
少年は、もう嬉しすぎて心ここにあらずといった様子で店の中を行ったり来たりしている。しばらくして店の奥から何やら細長い大きな箱を持って老人が戻ってきた。
「はいよ、これだね、ええと、25フェリーだ。」
「んと、25フェリーだね。はい、この中にそれだけあると思うよ確認して。」
そう言うと少年は羊の皮でできた袋を老人に渡す。その中には、金貨が入っている。
それを受け取った老人は中身を一枚ずつ取り出して、全部で25枚あることを確認すると、
「ん、確かにお題は頂いたよ。壊さないように気をつけて帰るんだよ。」
といった。それから少年は、
「おう!わかってるよラファエロおじさん。じゃあ、また」
と、ラファエロと呼ばれた老人に言うと勢いよく外に飛び出す。その時ラファエロは、
「ああ、また。ヘンリ。」
と言った。
ヘンリは、勢いよく外に飛び出すと来た時と逆に店の左側の通路を走った。しばらくして右に曲がってみて、急にこけそうになりながらもなんとかとまる。その顔は唖然としていた。それは目の前の光景が信じられなかったからである。さて、彼の前には・・・
「なんで、こんなところに女の子が倒れてるんだ・・・!?」
一人の少女が壁に寄り添うようにして倒れていた。
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「ここはどこ?」
呟く。あたりは見渡す限り白い砂ばかり。正面には深い青色の海が水平線のむこうまで広がっている。
空にはところどこ小さくちぎれた白い雲が浮かんでいる。
なにも生き物がいない。海の中にもなにもいないだろう。
「痛・・・い?」
体にはなぜか鈍い痛みが走る。
何なのだろうか、この痛みは。
原因がわからない。
第一、なぜこんな場所にいるのかもわからない。
文字どうり『気づけばここにいた』
「疲れた」
全体がだるい、体が重い。すさまじい疲労が襲ってくる。
だが、ここで寝てはいけないそんな気がした。
もう一度あたりを見渡してみる。
空が切り取られているみたいだ。
山ぐらい見えてもおかしくなさそうだが、何も見えない。
確実に一つ『海と果てしのない砂浜がある』この事実だけはわかる。
「いかないと」
どこに向かうのかもわからない、どこに向かえばいいのかもわからない。
しかし、ここにいてはいけない、どこかに行かないといけない。
自分の意志のどこかで、いや、自分の意志ではないかもしれない。
とにかく、なにかがそう言っている。
重い体を無理やりにでも起き上がらして砂浜に立つ。
「こっちへ」
まるで、何かに導かれているかのように、海とは逆方向に動き出す。
腕には時計がしてあった。
その時計は、故障はしてない。
しかし、そこにいた4時間。その時計は一秒たりとも動いてはいなかった・・・
呟く。あたりは見渡す限り白い砂ばかり。正面には深い青色の海が水平線のむこうまで広がっている。
空にはところどこ小さくちぎれた白い雲が浮かんでいる。
なにも生き物がいない。海の中にもなにもいないだろう。
「痛・・・い?」
体にはなぜか鈍い痛みが走る。
何なのだろうか、この痛みは。
原因がわからない。
第一、なぜこんな場所にいるのかもわからない。
文字どうり『気づけばここにいた』
「疲れた」
全体がだるい、体が重い。すさまじい疲労が襲ってくる。
だが、ここで寝てはいけないそんな気がした。
もう一度あたりを見渡してみる。
空が切り取られているみたいだ。
山ぐらい見えてもおかしくなさそうだが、何も見えない。
確実に一つ『海と果てしのない砂浜がある』この事実だけはわかる。
「いかないと」
どこに向かうのかもわからない、どこに向かえばいいのかもわからない。
しかし、ここにいてはいけない、どこかに行かないといけない。
自分の意志のどこかで、いや、自分の意志ではないかもしれない。
とにかく、なにかがそう言っている。
重い体を無理やりにでも起き上がらして砂浜に立つ。
「こっちへ」
まるで、何かに導かれているかのように、海とは逆方向に動き出す。
腕には時計がしてあった。
その時計は、故障はしてない。
しかし、そこにいた4時間。その時計は一秒たりとも動いてはいなかった・・・
気がついた、自分の意識が覚醒していき、瞼越しにうっすらと外の明かりが見える。
目を開けて体を起してみる。体中が痛い、なかでも背中が特に痛い。
痛む体を無理やり起こして下を見てみる。そこには草がある。あたりを見渡すと一面が草原だった。どうやら草の上に倒れていたらしい。
草原の向こうには高い山々がそびえたつ。今の、この場所は山に囲まれている盆地のようだ。草原の真ん中には大きな川が流れている。ここにある川はこれだけのようで、澄みきった川には、大小さまざまな魚が気持ちよさそうに泳いでいる。
(なぜ、ここにいるのだろう?)
(ここはどこだろう)
いまさらだが、こんな疑問を抱く。自分はどこから運ばれたのかさえもわからない。
自分が何者なのかもわからない。
ただ、”生きている”ということだけがわかっている。
あたりには、陸上の動物は一匹たりともいない・・・否、一匹だけいた。自分である。
空では太陽が照りつける。暑い・・・
ちょうど向こうに大きな木があった。
(あそこに行こう)
まだ、体中が痛むが、その体を何とか起き上がらせてその木の方へと歩いて行く。が、その木まであと数メートルと言うところで、その木はバキッという音を立てると、倒れてしまった。
(どうしよう)
考える。しかし、考えようとすると何かが思考回路の邪魔をして考えなくする。
どうしようもなくなった。とにかく歩くことにした。山の向こうに行けば何かがある。そんな気がした。
歩き始める。体の痛みは不思議と鎮まっていた。
太陽は真上で大地を照らしている。
空は黒い、そこにいた4時間、太陽は一度たりとも動いてはいなかった。
目を開けて体を起してみる。体中が痛い、なかでも背中が特に痛い。
痛む体を無理やり起こして下を見てみる。そこには草がある。あたりを見渡すと一面が草原だった。どうやら草の上に倒れていたらしい。
草原の向こうには高い山々がそびえたつ。今の、この場所は山に囲まれている盆地のようだ。草原の真ん中には大きな川が流れている。ここにある川はこれだけのようで、澄みきった川には、大小さまざまな魚が気持ちよさそうに泳いでいる。
(なぜ、ここにいるのだろう?)
(ここはどこだろう)
いまさらだが、こんな疑問を抱く。自分はどこから運ばれたのかさえもわからない。
自分が何者なのかもわからない。
ただ、”生きている”ということだけがわかっている。
あたりには、陸上の動物は一匹たりともいない・・・否、一匹だけいた。自分である。
空では太陽が照りつける。暑い・・・
ちょうど向こうに大きな木があった。
(あそこに行こう)
まだ、体中が痛むが、その体を何とか起き上がらせてその木の方へと歩いて行く。が、その木まであと数メートルと言うところで、その木はバキッという音を立てると、倒れてしまった。
(どうしよう)
考える。しかし、考えようとすると何かが思考回路の邪魔をして考えなくする。
どうしようもなくなった。とにかく歩くことにした。山の向こうに行けば何かがある。そんな気がした。
歩き始める。体の痛みは不思議と鎮まっていた。
太陽は真上で大地を照らしている。
空は黒い、そこにいた4時間、太陽は一度たりとも動いてはいなかった。
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芳野友昭
年齢:
31
性別:
男性
誕生日:
1993/05/28
職業:
高校生
趣味:
執筆、ゲーム、プログラミング
自己紹介:
ども、某工業高校に通う学生です。
このブログでは小説とかいろいろなことをグダグダと書いて行こうと思います。よければコメントとかして下さい。
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