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 「ふう・・・」

 さっきエルフをライアの屋敷に運び込んだ編リハ、あとのエルフの看病をライアに任せて、エントランスで一息ついた。

「そういやぁ、ライアに看病なんてできんのかな。いや、もしかすると案外家事とかできたりして・・・」

 ハプスブルクの家というとなんども言っているように貴族の中の貴族といっても過言ではないほどの大きな家である。そんな家で生まれ育ったライアに家事やらそのたもろもろ家のことができるとはヘンリには到底思えなかったが、前にライアが「ハプスブルクはあくまで質素に」みたいなことを言っていたのを思い出した。

「そういえば、この屋敷に入ってからメイドさんや執事さんを見てないな。」

 さっきからやけに静かだなと思っていたヘンリはここでようやく納得がいった。納得がいったところでヘンリはエントランスをよく見まわしてみることにした。

 広いエントランスは天井も高く、大きなシャンゼリアがそこに吊るされてあった。壁は白の漆喰で塗られていて、壁の足元のほうは赤く塗られていてうまく塗り分けられていた。また壁際のテーブルの上には高そうな食器や陶器が飾られていて、鎧が壁に立てかけられていたりした。

 が、やっぱりメイドや執事はおらず、広いエントランスはものすごく静かで、そしてなんとなくさびしく感じられた。

「なんとなく、ここ寂しいんだよな。たぶん誰もいないからだとは思うんだけど・・・あとでライアに執事もメイドもいるのかいないのか聞いてみるか。」

 と、自分の感想と疑問点などを一人でぶつぶつと呟いていたヘンリだが、さっきからずっと立ちっぱなしでおまけに椅子やソファーもないのでそろそろ足が疲れてきた。

「にしても遅いなライアのやつ・・・せめて椅子のある部屋へ行かせてもらうべきだったか・・・」

 と、また一人でブツブツ独り言をしだした瞬間、エントランス2階の大きな扉がギギギと音を立てて開いた。

 その音に気がついたヘンリがそっちを向くと私服なのだろうか、きれいなドレスを身にまとったライアが現れた。

「・・・」

 正直に言おう、ヘンリはライアに見とれて言葉を失った。

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