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言ったっけ?言ってなかったっけ?
何はともあれ、季節は初夏、心地よい風が吹き抜ける。それは、髪が大きくなびき、人は飛ばされそうになる。
つまり、突風だった…
「一体…なん…で、こんな、風が、吹いてんだ…?」
「そんなの…知るわけ…ない…じゃない」
その突風の中、ヘンリはよりにもよって風上の方へライアを背負ってハプスブルクの屋敷に向かって歩いていた。
「なんだって…こんな…突風が…急に」
「そんなこと…いい…から…とっとと…歩き、なさい」
いったい、なんでこうなってんだ?ヘンリは少し前のことを思い出す。

ヘンリが、足を挫いて歩けなくなったライアを背負って再びハプスブルクの屋敷へと歩きだしたのが少し前、
その後、1,2キロ進んだところで、何故か急に風が吹き出してきた。
もちろん、その後ヘンリは自分の体はもちろんだが、ライアも飛ばされないように最深の注意を払いつつ歩いていたが、この風邪の勢いはとどまるところを知らず、むしろさっきよりひどくなってるようだった。
「なんだ、この風、えらく、つよいな…」
「そう、ね、…ね、え、あんた、これ、なんかへんじゃない?」
ここで、なにか不審に思ったライアがヘンリに言う。
「変って?風が、強い、だけ、だ、ろ?」
「そうじゃなくって、明らかにさっきより風強くなってるし、こっちが方向転換する度に風の向きが変わるし、これ、ひょっとして、風の使い手の仕業じゃないかしら?」
「え?風の、使いて?ということは、これって、魔術?」
「でしょう、ね」
そこまで言ったとき、ライアは前方から近づいてくる人影に気がついた。
と、同時に風が急に弱まってきた。
「あなたは、誰?」
ライアが、近づいてくる人影に話しかける。
その人影は、どうも女性のようだった。髪は綺麗なブロンドで腰まで届くロングヘアー、耳は高く尖っているので、どうやらエルフのようだった。
「エルフ?」
ヘンリは、話にしか聞いていなかったエルフを初めて見たのだった。
そして、そのあまりの美しさに言葉をなくしてしまった。
そのエルフは、ゆっくりとこちらに歩いてくる。その足取りは、頼りなく、フラフラしながらこちらへ歩いてくる。
「フラフラしながら…?」
そのとき、ヘンリは、そのエルフの様子がおかしいのに気がついた。
「おい、ライア、あのエルフ体調が良くないんじゃないのか?」
「え?そういえば、そうね足取りもおぼつかないし。」
「ちょっと、ライア悪いがここでちょっと待っててくれ。」
そういうと、ヘンリは、ゆっくり腰をおろすとライアを地面におろした。
「ちょっと、って、あんた、どうするつもりよ!?」
「彼女をつれてくるだけだから!」
そういうと、ヘンリはエルフの方へとかけ出していくのだった。

To be countinue... 

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ども、某工業高校に通う学生です。
このブログでは小説とかいろいろなことをグダグダと書いて行こうと思います。よければコメントとかして下さい。
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