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 自分の頭の中のCPUとハードディスクが高速回転している…その表現がぴったり当てはまるのが今のヘンリの脳内である。
今にもハードディスクのカタカタという駆動音が聞こえてきそうだった。彼は今、これまでの出来事を必死で整理しているところだ。

ハプスブルク、その名はこのプファルツ王国一番の公爵とも呼ばれている名家中の名家である。ハプスブルクの出る前、数世代前の国王の時までプファルツ王国の国力はこのポイスト大陸の中で最低ランクだったのが、ハプスブルクが、政界に上がった途端に国の経済は著しく発展し、国力もポイスト大陸の中ほかの国に並ぶまで上がってきた。

そんな、「プファルツの救世主」とまで呼ばれているハプスブルクのお嬢様である少女が目の前にいる。しかもここにいる理由が「道に迷った」そんなんじゃあ混乱してもおかしくはない。
と、ここまで考えていてもまだ整理できないヘンリの頭をライアが小突いた。それでヘンリはやっと我に返った、その彼に彼女は拗ねたように頬を膨らませる。
「何よ、悪かったわねえ名家の出身の私がこんなとこで道に迷っていたりだなんてして。」
「い、いや、急にハプスブルク家の人が目の前にいたから驚いただけだよ。」
急に、そんなことを言われたヘンリはあわてて答えるが、「ドジだなこの子は」と思っていたのは確かなので、目がどうしても泳いでしまう。
「そう、私のことを『こんなとこに迷うドジな子』だなんて思っていないのならどうしてそんなに目が泳いでいるのかしら…」
何だろうか、ヘンリはこの少女からジワジワと怒りに満ちたオーラが漏れ出してるように見える。
「い、いや、そのなんて言うかまあ…」
図星を突かれたことや、彼女から漏れ出すオーラのせいで冷たい脂汗をかいているいるヘンリは、答えるのにどうしても詰まってしまう。
そのせいか、ライアから出る怒りのオーラは今やものすごい大きさとなってヘンリを巻き込みそうである…というよりもうすでに巻き込んでいるようだ。その時ヘンリには悪魔が見えた。
「やっぱり、私のことを『仕方のないドジっ子』だと思ってるんでしょ!!」
「い、いや思ってない、というより、自分のことさらに悪く言ってない?」
どうも彼女に何を言っても聞かないらしい、彼の顔には汗がびっしりである。
そして、とうとう悪魔の怒りが爆発した。
「私だって、好きでこんなとこに来てんじゃないのよ!!別にちょっと魔法試してたらこんなとこまでテレポートしちゃっただけなんだから!!!」
「ああ、魔法絵を使ってたのね…って、魔法使えたの!?」
「そうだけど、なんか疑問な点でも?」
ヘンリの疑問点はますます増えるばかりだった。

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1993/05/28
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自己紹介:
ども、某工業高校に通う学生です。
このブログでは小説とかいろいろなことをグダグダと書いて行こうと思います。よければコメントとかして下さい。
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