設置日 2009/9/12(Sat)
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自分の頭の中のCPUとハードディスクが高速回転している…その表現がぴったり当てはまるのが今のヘンリの脳内である。
今にもハードディスクのカタカタという駆動音が聞こえてきそうだった。彼は今、これまでの出来事を必死で整理しているところだ。
ハプスブルク、その名はこのプファルツ王国一番の公爵とも呼ばれている名家中の名家である。ハプスブルクの出る前、数世代前の国王の時までプファルツ王国の国力はこのポイスト大陸の中で最低ランクだったのが、ハプスブルクが、政界に上がった途端に国の経済は著しく発展し、国力もポイスト大陸の中ほかの国に並ぶまで上がってきた。
そんな、「プファルツの救世主」とまで呼ばれているハプスブルクのお嬢様である少女が目の前にいる。しかもここにいる理由が「道に迷った」そんなんじゃあ混乱してもおかしくはない。
と、ここまで考えていてもまだ整理できないヘンリの頭をライアが小突いた。それでヘンリはやっと我に返った、その彼に彼女は拗ねたように頬を膨らませる。
「何よ、悪かったわねえ名家の出身の私がこんなとこで道に迷っていたりだなんてして。」
「い、いや、急にハプスブルク家の人が目の前にいたから驚いただけだよ。」
急に、そんなことを言われたヘンリはあわてて答えるが、「ドジだなこの子は」と思っていたのは確かなので、目がどうしても泳いでしまう。
「そう、私のことを『こんなとこに迷うドジな子』だなんて思っていないのならどうしてそんなに目が泳いでいるのかしら…」
何だろうか、ヘンリはこの少女からジワジワと怒りに満ちたオーラが漏れ出してるように見える。
「い、いや、そのなんて言うかまあ…」
図星を突かれたことや、彼女から漏れ出すオーラのせいで冷たい脂汗をかいているいるヘンリは、答えるのにどうしても詰まってしまう。
そのせいか、ライアから出る怒りのオーラは今やものすごい大きさとなってヘンリを巻き込みそうである…というよりもうすでに巻き込んでいるようだ。その時ヘンリには悪魔が見えた。
「やっぱり、私のことを『仕方のないドジっ子』だと思ってるんでしょ!!」
「い、いや思ってない、というより、自分のことさらに悪く言ってない?」
どうも彼女に何を言っても聞かないらしい、彼の顔には汗がびっしりである。
そして、とうとう悪魔の怒りが爆発した。
「私だって、好きでこんなとこに来てんじゃないのよ!!別にちょっと魔法試してたらこんなとこまでテレポートしちゃっただけなんだから!!!」
「ああ、魔法絵を使ってたのね…って、魔法使えたの!?」
「そうだけど、なんか疑問な点でも?」
ヘンリの疑問点はますます増えるばかりだった。
今にもハードディスクのカタカタという駆動音が聞こえてきそうだった。彼は今、これまでの出来事を必死で整理しているところだ。
ハプスブルク、その名はこのプファルツ王国一番の公爵とも呼ばれている名家中の名家である。ハプスブルクの出る前、数世代前の国王の時までプファルツ王国の国力はこのポイスト大陸の中で最低ランクだったのが、ハプスブルクが、政界に上がった途端に国の経済は著しく発展し、国力もポイスト大陸の中ほかの国に並ぶまで上がってきた。
そんな、「プファルツの救世主」とまで呼ばれているハプスブルクのお嬢様である少女が目の前にいる。しかもここにいる理由が「道に迷った」そんなんじゃあ混乱してもおかしくはない。
と、ここまで考えていてもまだ整理できないヘンリの頭をライアが小突いた。それでヘンリはやっと我に返った、その彼に彼女は拗ねたように頬を膨らませる。
「何よ、悪かったわねえ名家の出身の私がこんなとこで道に迷っていたりだなんてして。」
「い、いや、急にハプスブルク家の人が目の前にいたから驚いただけだよ。」
急に、そんなことを言われたヘンリはあわてて答えるが、「ドジだなこの子は」と思っていたのは確かなので、目がどうしても泳いでしまう。
「そう、私のことを『こんなとこに迷うドジな子』だなんて思っていないのならどうしてそんなに目が泳いでいるのかしら…」
何だろうか、ヘンリはこの少女からジワジワと怒りに満ちたオーラが漏れ出してるように見える。
「い、いや、そのなんて言うかまあ…」
図星を突かれたことや、彼女から漏れ出すオーラのせいで冷たい脂汗をかいているいるヘンリは、答えるのにどうしても詰まってしまう。
そのせいか、ライアから出る怒りのオーラは今やものすごい大きさとなってヘンリを巻き込みそうである…というよりもうすでに巻き込んでいるようだ。その時ヘンリには悪魔が見えた。
「やっぱり、私のことを『仕方のないドジっ子』だと思ってるんでしょ!!」
「い、いや思ってない、というより、自分のことさらに悪く言ってない?」
どうも彼女に何を言っても聞かないらしい、彼の顔には汗がびっしりである。
そして、とうとう悪魔の怒りが爆発した。
「私だって、好きでこんなとこに来てんじゃないのよ!!別にちょっと魔法試してたらこんなとこまでテレポートしちゃっただけなんだから!!!」
「ああ、魔法絵を使ってたのね…って、魔法使えたの!?」
「そうだけど、なんか疑問な点でも?」
ヘンリの疑問点はますます増えるばかりだった。
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倒れていた…その表現が本当に正しいのかヘンリは迷った。女の子は、いや少女というべきだろうか。彼女の表情はとても穏やかで静かに眠っているようだ。ヘンリは、一瞬、彼女の顔に見とれてしまっていた。長いまつげ、小さめの輪郭、色白な肌で、ほのかに紅い頬、髪の色は桜色。まるで人形のようだった。
どのくらいたったかは分からないが、彼女に見とれていたヘンリはふと我に返った。そして、あわてた。
「どうしようか一体…。どうすればいいんだ?てかなんでこんなところに女の子がいるんだよ。…まさか、死んでなんかないよな?」
急に心配になってきた彼は、少女の口元へ自分の耳を近づけていって彼女の呼吸音を聞きとろうとする。と、彼女までわずか数セピトのところで、彼女は急に動き出した。
「ん…う~ん…」
驚いた少年は、後ろに飛び退き、彼女の様子をうかがう。すると少女は、身じろぎをすると、その大きな碧眼の瞳を開いた。
「………」
少年は声も出ない。少女は目をごしごしとこすり、まだ眠そうに垂れている瞼を瞬かせる。
少年は何もできず、ただ少女を見つめるだけである。と、彼女の瞳は少年を捕らえる。
「あなた…だれ?」
「えっ?」
いきなりの出来事でヘンリは声がうわずってしまった。
少女は、もう一度彼に問う。
「あなたはだれなの?」
「あっと、俺?」
思わず聞き返したヘンリに少女は小さくうなずく。
「俺は、ヘンリ・ポルテーノ、ヘンリって読んでくれて構わない。ところで君は?」
少女は、ゆっくりと答えた。
「私は、ライア・ペラチア・ド・ハプスブルクよ。」
ヘンリは、ひどく驚いた。驚いたなんてもんじゃない、なんでこんな少女がここにいるのかもわからなかった。
「ハプスブルクって、あのハプスブルク?」
恐る恐る、聞き返すヘンリに、ライアは答える。
「ハプスブルクはこの辺ではあそこしかないでしょう。このプファルツ王国の貴族のハプスブルクしかいないでしょう?」
何を言うのかというような怪訝な顔で返されたが、ヘンリは、その緊張した顔を緩めない。
「なんで、こんなところにそのド・ハプスブルク家のお嬢様がいるんだよ?」
ヘンリが驚いている真髄の質問をすると、ライアは、急に黙ってしまった。
そして、少したってから、ヘンリに顔をそむけ小さな声で言った。
「道に…迷ってしまったの。」
なんとも呆気ない回答だった。
「はぁ?」
さすがのヘンリも呆れてしまい、こんな答えしか出なかった。
どのくらいたったかは分からないが、彼女に見とれていたヘンリはふと我に返った。そして、あわてた。
「どうしようか一体…。どうすればいいんだ?てかなんでこんなところに女の子がいるんだよ。…まさか、死んでなんかないよな?」
急に心配になってきた彼は、少女の口元へ自分の耳を近づけていって彼女の呼吸音を聞きとろうとする。と、彼女までわずか数セピトのところで、彼女は急に動き出した。
「ん…う~ん…」
驚いた少年は、後ろに飛び退き、彼女の様子をうかがう。すると少女は、身じろぎをすると、その大きな碧眼の瞳を開いた。
「………」
少年は声も出ない。少女は目をごしごしとこすり、まだ眠そうに垂れている瞼を瞬かせる。
少年は何もできず、ただ少女を見つめるだけである。と、彼女の瞳は少年を捕らえる。
「あなた…だれ?」
「えっ?」
いきなりの出来事でヘンリは声がうわずってしまった。
少女は、もう一度彼に問う。
「あなたはだれなの?」
「あっと、俺?」
思わず聞き返したヘンリに少女は小さくうなずく。
「俺は、ヘンリ・ポルテーノ、ヘンリって読んでくれて構わない。ところで君は?」
少女は、ゆっくりと答えた。
「私は、ライア・ペラチア・ド・ハプスブルクよ。」
ヘンリは、ひどく驚いた。驚いたなんてもんじゃない、なんでこんな少女がここにいるのかもわからなかった。
「ハプスブルクって、あのハプスブルク?」
恐る恐る、聞き返すヘンリに、ライアは答える。
「ハプスブルクはこの辺ではあそこしかないでしょう。このプファルツ王国の貴族のハプスブルクしかいないでしょう?」
何を言うのかというような怪訝な顔で返されたが、ヘンリは、その緊張した顔を緩めない。
「なんで、こんなところにそのド・ハプスブルク家のお嬢様がいるんだよ?」
ヘンリが驚いている真髄の質問をすると、ライアは、急に黙ってしまった。
そして、少したってから、ヘンリに顔をそむけ小さな声で言った。
「道に…迷ってしまったの。」
なんとも呆気ない回答だった。
「はぁ?」
さすがのヘンリも呆れてしまい、こんな答えしか出なかった。
活気のある街、市場のあちこちでは客を呼び込む大きな威勢のいい声が聞こえる。
太陽は高く頭の上にあり 、夏の暑い日差しを照りつけている。そんな市場を、一人の少年が人にぶつからないように気をつけながら全力疾走している。
「よっしゃ!今日はいよいよずっとほしかったあの部品が変えるぞ!何ヵ月もため込んだこづかいだ、落とさないように気をつけないとな。」
どうやらよほどうれしいようで、その表情はキラキラと輝いている。
そして、少年は市場の一本裏通りに入ると、そこを突き進む。すると路地の突き当たりに一軒の古い店がある。完全木造で、雨風に打たれて外壁の板は黒ずんで朽ちかけている。扉は、幾分新しいようで、ガラス窓が付いており取っ手の部分には『営業中』と書かれた看板がぶら下げられている。
少年は、その扉を思いっきり引っ張って開けると、中に駆け込み叫ぶ。
「おやっさん!!例の部品をおくれ!やっと金がそろったよ。」
すると、カウンターに腰を掛けて新聞を読んでいた老人はゆっくりと立ち上がると、
「ああ、おまえさんか、そうかそれはよかった。ちょっと待ってくれ出してくるから。」
というと店の奥の方に入って行った。
「これでやっと、アレが作れる。」
少年は、もう嬉しすぎて心ここにあらずといった様子で店の中を行ったり来たりしている。しばらくして店の奥から何やら細長い大きな箱を持って老人が戻ってきた。
「はいよ、これだね、ええと、25フェリーだ。」
「んと、25フェリーだね。はい、この中にそれだけあると思うよ確認して。」
そう言うと少年は羊の皮でできた袋を老人に渡す。その中には、金貨が入っている。
それを受け取った老人は中身を一枚ずつ取り出して、全部で25枚あることを確認すると、
「ん、確かにお題は頂いたよ。壊さないように気をつけて帰るんだよ。」
といった。それから少年は、
「おう!わかってるよラファエロおじさん。じゃあ、また」
と、ラファエロと呼ばれた老人に言うと勢いよく外に飛び出す。その時ラファエロは、
「ああ、また。ヘンリ。」
と言った。
ヘンリは、勢いよく外に飛び出すと来た時と逆に店の左側の通路を走った。しばらくして右に曲がってみて、急にこけそうになりながらもなんとかとまる。その顔は唖然としていた。それは目の前の光景が信じられなかったからである。さて、彼の前には・・・
「なんで、こんなところに女の子が倒れてるんだ・・・!?」
一人の少女が壁に寄り添うようにして倒れていた。
太陽は高く頭の上にあり 、夏の暑い日差しを照りつけている。そんな市場を、一人の少年が人にぶつからないように気をつけながら全力疾走している。
「よっしゃ!今日はいよいよずっとほしかったあの部品が変えるぞ!何ヵ月もため込んだこづかいだ、落とさないように気をつけないとな。」
どうやらよほどうれしいようで、その表情はキラキラと輝いている。
そして、少年は市場の一本裏通りに入ると、そこを突き進む。すると路地の突き当たりに一軒の古い店がある。完全木造で、雨風に打たれて外壁の板は黒ずんで朽ちかけている。扉は、幾分新しいようで、ガラス窓が付いており取っ手の部分には『営業中』と書かれた看板がぶら下げられている。
少年は、その扉を思いっきり引っ張って開けると、中に駆け込み叫ぶ。
「おやっさん!!例の部品をおくれ!やっと金がそろったよ。」
すると、カウンターに腰を掛けて新聞を読んでいた老人はゆっくりと立ち上がると、
「ああ、おまえさんか、そうかそれはよかった。ちょっと待ってくれ出してくるから。」
というと店の奥の方に入って行った。
「これでやっと、アレが作れる。」
少年は、もう嬉しすぎて心ここにあらずといった様子で店の中を行ったり来たりしている。しばらくして店の奥から何やら細長い大きな箱を持って老人が戻ってきた。
「はいよ、これだね、ええと、25フェリーだ。」
「んと、25フェリーだね。はい、この中にそれだけあると思うよ確認して。」
そう言うと少年は羊の皮でできた袋を老人に渡す。その中には、金貨が入っている。
それを受け取った老人は中身を一枚ずつ取り出して、全部で25枚あることを確認すると、
「ん、確かにお題は頂いたよ。壊さないように気をつけて帰るんだよ。」
といった。それから少年は、
「おう!わかってるよラファエロおじさん。じゃあ、また」
と、ラファエロと呼ばれた老人に言うと勢いよく外に飛び出す。その時ラファエロは、
「ああ、また。ヘンリ。」
と言った。
ヘンリは、勢いよく外に飛び出すと来た時と逆に店の左側の通路を走った。しばらくして右に曲がってみて、急にこけそうになりながらもなんとかとまる。その顔は唖然としていた。それは目の前の光景が信じられなかったからである。さて、彼の前には・・・
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HN:
芳野友昭
年齢:
31
性別:
男性
誕生日:
1993/05/28
職業:
高校生
趣味:
執筆、ゲーム、プログラミング
自己紹介:
ども、某工業高校に通う学生です。
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